プロフェッショナルとして輝き続ける~動物メディカルセンター箕面統括病院 中村 陽子 さん~

動物メディカルセンター箕面統括病院 
動物看護師長
中村 陽子 さん

●プロフィール

1997年   日本動物植物専門学校入学
1999年   個人経営病院へ就職
2010年6月  動物メディカルセンターグループ入社
2010年12月 動物看護師 主任 任命
2011年6月  動物看護師長 就任
2015年6月  日本動物看護職協会 理事 就任

 

 

●動物行動学に興味を持ったキッカケは?

学生時代の講義で「犬のしつけ」を勉強した時に「褒めてしつける」という動物行動学を学び、興味が増したのでJAHA「しつけインストラクター養成講座」を受講するなどして行動学を勉強していました。また、看護師として病院へ勤め始めて間もなく、我が家に愛犬がやってきて「この子を私のパートナーにしよう」と思い、働きながらしつけの勉強をして、我が子へ学んだことを応用してきました。うちの子は見事にわがままな子に育ちましたが(笑)、動物行動学は奥が深く今でも本当に大好きです。

●新人時代は心掛けていたことは?

新人時代は未熟な自分との闘いの日々でした。自分の知識不足から患者さんを危険にさらすような事がないよう、セミナーには時間があれば積極的に参加し、知識が増えても探究心を止めない事を心掛けていました。色んなセミナーに参加することで、今自分に不足している部分が見つかるので、「○○を学びたい!」でセミナーを探していたわけではなくて、ジャンルを問わずに参加していました。

  • ●看護師として順調に勤められていく中で何か悩みはありましたか?

動物看護師になって8~9年目頃に目標を見失った期間がありました。私はパピークラスを行いたいという思いがありましたが、周りに理解されず、自分の動物看護師としての将来像を描けなくなった時期がありました。一方で動物看護師という患者様とその家族に深く関わる事ができる仕事は続けたいという思いもあり、今後のキャリアについて葛藤した時期がありました。そんな悩みを友人たちへ相談する中で環境を変える事を提案してもらいました。

●それが転職のキッカケだったのでしょうか?

はい、そうです。私の思い描く動物看護師像を実現できるのが、現在も務めている動物メディカルセンターグループだと思いました。当グループは、若い動物看護師が多く、高度な医療を提供しながらもきめ細やかなサービスを忘れずに飼い主様家族を支えているスタッフが多くいますので、新しいことに挑戦できる環境が整っていると感じられたためです。

●転職してよかったことはどのようなことでしょうか?

当グループに入社したころに残念に感じたのが、獣医師の「やりたい医療行為」と動物看護師の「やってあげたい看護」が違ってしまった場合に、獣医師と動物看護師が意見を交換する環境がなかったことです。そのため、私はそれまでになかった入院看護計画の導入を提案し、実施しました。「動物看護師が患者様の状態を認識→看護計画を立案→看護を実施→入院専用カルテに記載して計画の再構成をおこなう」という一連の流れを看護過程に取り入れる事にしたのです。このことにより獣医師と動物看護師の意思の疎通がスムーズになり、より適切できめ細かい医療を提供できるようになったと思います。このように新しいことに挑戦させてもらえる環境はとてもありがたいと感じています。

●現在はどういった業務をされていますか?

行動診療科とリハビリテーションを主に行っています。行動診療科は動物行動学を学ばれた専門医と共に行動カウンセリングやキンダーガーデン(仔犬の幼稚園)を行っています。

リハビリテーション科では、椎間板ヘルニア等の様々の症例を看ています。

リハビリテーションについては専門に勉強したことがなかったので、様々な講義を受講して知識を増やしていきました。念願だったテネシー大学認定CCRPコースも全て受講終了し、現在は残すところあと筆記試験のみとなっています!資格取得に向け日々頑張っています!

●その他に病院で取り組んでいる事は?

昨年からシニアケア教室を始めました。当グループの飼い主様の中にも悩まれている方が多くいらっしゃったことと、我が子もシニア&介護ケアが必要でしたので、必要性を強く感じていたためです。今まで頑張って勉強してきたリハビリテーションについての知識が活かせています。

●動物看護師長としてリーダーも勤められていますが、何か意識している事は?

私は師長ですが、正直やっている事は雑用が多いと思います。スタッフ皆を引っ張っていく!というタイプではないので、みんなが円滑に働きやすいように環境を整える事が大切だと考えています。やはり職場環境・人間関係が円滑でないと、患者様に対してやさしい看護はできないと思いますからね。そのために、具体的にはスタッフの動き方、時間配分、施設の導線を考え、ルールつくりを行う事を行っています。

また、自身がキャリア形成について悩んだ経験から、スタッフが勉強する環境と姿勢づくりには全力で協力していきたいと思っています。

 ●今後の目標について教えてください

昨年アメリカのスペシャリストVN ヤギ ケンイチロウ先生に会い、VTSという資格がある事を知りました。アメリカのVTS資格は病院の中でスタッフの司令塔及びプロフェッショナルナースです。入院動物の状況を認識し、獣医師に検査・治療の指示を仰ぎ、すべての検査・処置はVTSでおこないます。エコー検査、レントゲン検査、スケーリング処置、胸腔穿刺や尿道カテーテル留置など人の看護師さんと同じですね。手術においての麻酔管理のプログラムまでVTSが作成するそうです。ヤギ先生は救急医療で働いておられるので救急においての輸血管理やクロスマッチもおこなうそうです。

当グループ理事長の考える動物看護師像も、獣医師の役割である「診断・処方・手術」以外はVNの仕事という考えであり、まさにVTSのような動物看護師です。日本では法的な部分等、多くの課題を抱えていますが、私もプロフェッショナルな動物看護師を目指していきたいと思います。

また、2015年より日本動物看護職協会の理事に就任したのですが、職能団体理事という立場にもやりがいを感じています。動物看護師の皆さんが、更に動物看護技術と知識の向上に努め、長く誇りを持って働き続けられる環境をつくるために尽力したいと思います。
●最後に働く動物看護師の方々へ一言をお願いします!

動物看護師として必要な知識や技術は本当にたくさんあると思います。やりたいことがたくさんあって何から学べばよいか分からないとか、自分にとって今何が出来ていないのかがよく分からないなど、色々と思うところはあるかもしれません。私はいつでも自分が学びたいときに学びたいことを勉強すればよいと思うし、それを始めるのに動物看護師歴何年目?とかいう規則もないと思います。様々な経験が看護に生かされていくと思っています。今チャンスがあればそれをもぎ取るつもりで進んでいきたいと思っています。私はまだまだ学びたいし、看護動物の為、その家族の為にできる事は何でもしたいと思っています!

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