動物看護師による動物災害支援活動とは?

物看護師&看護師
西村 裕子さん

●プロフィール 

福岡愛犬美容看護学院卒業

2年間山口県の動物病院で動物看護師として勤務

山口県衛生看護学院 入学&卒業

6年間、人間の病院で正看護師として勤務

2年間 動物看護師養成専門学校に勤務

2016年~ フリーランスの動物看護師として災害時の動物支援を講師として広めている

●動物の災害支援活動を広めようと思ったきっかけは?

山口県から関東に引っ越しをして地震の多さにまず驚きました。また我が家では、2頭の犬とフェレットがいるのですが、災害時に犬はキャリーに入れて同行避難…じゃぁフェレットはどうすればいいの?などの疑問を持った事が原点です。そこから災害支援を学ぶうちに、小さな単位でペット防災を行う必要性に気づき、それぞれの地域の動物看護師さんへ広めたいと思いました。

また私には、動物看護師に「看護」という仕事の認識を伝えたい想いがあり「防災」をキーに「看護」が学べる仕組みを作ることで、より多くの動物看護師さんが学びに来て下さるのではないかと考えました。そこで今回、千葉科学大学で行われる、動物の災害時支援について特命研究員として履修プログラム作成に携わりました。

●動物の災害支援履修プログラムとはどのようなプロジェクトでしょうか?

日本において「動物看護師の災害支援」が学べる初めての試みになります。現役の動物看護師さんや、潜在動物看護師さん…現在子育て中、介護中などで休職中の方が対象です。今回千葉科学大学では、本年1月に動物危機管理教育研究センターが設立され、その活動の一貫として文部科学省で認定された社会人学びなおし制度である履修証明プログラムがあり、まずは動物看護師で伴侶動物を対象とした「災害時獣医療支援人材養成プログラム」が開講されます。さらに今後、野生動物、産業動物、実験動物分野でもプログラムや公開講座も開講される予定です。この履修証明プログラムを学び終えましたら「履修証明証」の発行や、フェローとして登録され、フェローによるネットワークつくりも構築していく予定です。

カリキュラムの詳細はこちら(http://www.cis.ac.jp/topics/detail_180329.html)です。

●カリキュラムでどのような事が学べますか?

千葉科学大学は、日本において唯一、動物における危機管理を学べる大学です。ですので「危機管理」の概念をはじめ、獣医師から心肺蘇生法などの救急の心得や応急手当が学べます。また動物看護師自身のメンタルマネージメントや、共に活動する方たちや被災者や被災動物への配慮などの心理面も学びます。

また東日本大震災や熊本地震などで実際に活動した動物看護師や人の災害支援ナースが教員です。そして私からは、災害時の動物看護過程や、人の避難所運営に関わる内容を実践式ワークで講義します。今回のカリキュラムで最も特徴的なのは、動物の専門職に加え、人の専門職も講師として参加し両方の災害支援が学べるという点です。

千葉科学大学マリーナキャンパス

●そのカリキュラムを学ぶことで動物看護師さんにどのようなメリットがありますか?

学び終えた時点で、動物災害支援に必要な幅広い基礎知識が身につくカリキュラムになっております。また「動物災害支援」を学んだという履修証明書が出ますので、それをご自身の住んでいる地域に持ち帰って頂き、各自治体や動物病院などと協力して「ペット防災対策」に取り組んで頂いたりすることができます。また今後の展開として動物関連企業や災害支援ナース、保健師など人の医療との連携もできると思います。

●今後の夢は

避難所などのより身近な小さな単位で「動物災害支援」のできる動物看護師を育成することが夢です。「看護力」が必要とされますのは、まさしくそこですから。1人でも多くの動物看護師さんに「動物災害支援」を学んで頂き、それぞれの地域において活動を担って頂ける人材を増やしたいですね。

また動物災害支援活動を通じて、沢山の人に「動物看護」という仕事のすばらしさを知って頂く事で、動物看護師の公的資格化も進んでいくのではないかと思っております。

 

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