動物看護師のスペシャリストを目指して~アメリカ動物看護師 小川祐香理 さん

アメリカ動物看護師
小川祐香理 さん

●プロフィール 

2008年 東洋大学国際地域学科卒業
2008年秋 ラガーディアコミュニティーカレッジ 動物看護学科入学
2011年ラガーディアコミュニティーカレッジ 動物看護学科卒業アメリカ動物看護師資格取得
在学中にボランティアをしていたヒューメンソサエティーオブニューヨークにて採用され、動物看護師としては初の就労ビザの認定がおり、勤務を開始。
2016年TAPを立ち上げ代表取締役に就任
ヒューメンソサエティーオブニューヨークにて、デンタル部門のトレーニングリーダーとして動物看護師やインターンの育成指導に関わりながら、Translation for Animal Professionals (TAP)を立ち上げる。
2017年アメリカ人のご主人との間に第一子を授かり出産
2018年 現在
ヒューメンソサエティーオブニューヨークを育児休業中。TAPの活動を行いながら、動物に関わる人と人をつなぐ新たなコミュニティサイトCommunity of Veterinary Professionals (CVP)を運営している。

●動物看護師という仕事に興味を持ったきっかけは?

動物好きの母の影響で、幼いころから動物に囲まれて暮らしていたので、将来は動物に関わる仕事につきたいと思っていました。高校生のころに情報を収集する中で、動物看護師の存在を知りました。この資格があれば動物に関わる仕事が何でもできると思い興味を持ちました。

●アメリカで動物看護師の資格を取得しようと思ったのはなぜですか?

高校卒業後は将来の可能性を広げる為に、動物とは関係のない大学に4年間通いました。が、やはり動物に関わる仕事がしたい気持ちは変わらず、再度、動物看護師を目指しました。日本の動物病院も見学をさせてもらいましたが、自分の想像していた動物看護師の仕事に比べて、できることが限られている部分があるなと感じました。

そこでオーストラリアの動物愛護施設で一か月ほどボランティアをしに行きました。その時、一緒に働かせていただいた動物看護師の方からアメリカの動物看護が診療などについて一番進んでいると聞いて、アメリカで看護師資格の取得を目指すことにしました。

●アメリカでの動物看護師資格の取得は大きなチャレンジだと思いますが、一番難しかったことは?

語学ですね。動物看護学科に入学する前に語学クラスの単位を取得する必要があるのですが、最初は授業に全然ついていけなかったので、授業を録音してわかるまで何度でも聞きました。また、動物看護学科はとても人気があり、成績上位の45名しか進学することができないので、授業が終わってからも先生や友達にわかるまで教えてもらい、良い成績を取るために必死で勉強しました。周囲の支えがあったから無事に進学し、卒業することができました。

●卒業後、日本に帰ろうとは思いませんでしたか?

実は、家族とは卒業後は帰ると約束をしていたのですが・・・。帰ろうとは思いませんでした。アメリカで生活する中で、チャレンジし続けることに喜びを感じるようになっていたので、このままアメリカに滞在してもっとチャレンジしたいと思いました。

学校を卒業するときに、在学中にボランティアをしていたヒューメンソサエティーオブニューヨークからオファーがあり、就労ビザをもらえたことは本当に幸運でした。

現在はアメリカ人の主人との出会ったことで、グリーンカードを取得しているので、より仕事の選択肢が広がったと感じています。

●実際に働き始めて感じたことは?

アメリカでは、動物看護師もスペシャリストになるなどスキルアップできる環境がたくさんあります。私は学生時代からデンタルに興味があって、勉強を続けてきました。今の職場でもデンタルテクニシャンとして経験を積ませてもらっており、トレーニングリーダーとして教育にも携わらせていただいています。日本との大きな違いは国家資格であり、スキルアップを続ければ、フリーランスの動物看護師として仕事をすることも可能だということです。

頑張れば、道が開けると思い努力してきましたが、実際にその通りだったと感じています。

●出産をされましたが、子育てと仕事の両立についてはどのように考えていますか?

通勤に3時間もかかるのですが、今の病院に復職したいと思っています。両立は大変だと思いますが、デンタルテクニシャンとして1人立ちできるまで育ててもらったという気持ちがあるので頑張りたいです。アメリカでは産休・育休といった制度がなく、上司と直接話し合いながら、自分のタイミングで育休も復職も決めていきます。幸いにも私の上司は女性のライフステージの変化に理解のある人なので、妊娠が分かったときにもスケジュールを調整するなどの配慮をしてもらいました。

●病院での勤務とは別にTAPを起業された経緯を教えてください

「動物業界で働く私達がもっと志高く、もっとやりがいを感じて、より豊かになれるように」というコンセプトを掲げ、2016年にTranslation for Animal Professionals(TAP)を立ち上げました。具体的にはアメリカへのスタディーツアーの企画、運営それに伴う通訳業務、セミナーへ代理出席してレポートを作成するなど、アメリカの最先端の獣医療情報を日本の皆さんへ向け提供する活動をしています。

そもそもは、2013年にアメリカ動物病院会議で日本の動物病院の院長先生や獣医師と交流する機会があり、日本の動物看護師の教育を充実させたいという気持ちに共感したことから情報提供を行うブログをスタートさせました。動物看護師だけでなく、獣医師からもアメリカの最新のセミナーを受けたいというニーズがあり、より多くの方に情報を届けたいという思いで2016年に会社としてTAPを起業しました。特に、リーダーシップや人材育成については日本ではセミナーが少なく、アメリカで盛んなので、積極的に情報を提供していきたいです。

TAPのご紹介

動物業界で働く私達がもっと志高く、
もっとやりがいを感じ、より豊かになれるように~

メルマガ
https://48auto.biz/tapnews/touroku/sp/entryform1.htm
ブログ
https://ameblo.jp/translationforanimalpros/
Facebook
https://www.facebook.com/yukari.ogawa.9847

●今後の活動について教えてください

これまでの活動と並行して、新しいチャレンジとして、同じ志を持つ仲間とコミュニティサイトCommunity of Veterinary Professionals (CVP)を立ち上げました。

・ホームページ http://cvp.jp/

・フェイスブックグループ https://www.facebook.com/pg/cvetpro/

他では取り扱われていないマネジメントやリーダーシップ、スタッフトレーニングに特化したネットセミナーを主体に、3分コラムやアメリカ獣医師、動物看護師などのインタビュー動画の配信を予定しています。日米の獣医療に関わる専門家同士が自由に繋がれる場所を作っていきたいと考えています。ぜひ注目してください!

●動物看護師をめざす方々へ一言をお願いします!

私は、動物病院で一生懸命に働く人たちを見るのが好きで、ずっとその場所にいたいと思っています。動物看護師は楽ではない仕事ですが、「動物が好きで働いている」というチームの絆が大好きなので、続けていけます。これから目指す皆さんにも、なぜ動物看護師になるのか。どういう動物看護師になりたいのか。何度も自分に問いかけて、自分がつらい時に立ち戻れる理念を持ってほしいと思います。

●働く動物看護師の方々へ一言をお願いします!

興味を持てることをみつけて、徹底的に知識と技術を極め、応援してもらえるところで働いてください。外に出て勉強し、いろいろな刺激をもらわないと向上心を維持していくのは難しいと思います。例えば、予防やリハビリなどでは日本国内でも活躍できる場所はたくさんありますし、アメリカの看護師スペシャリストの資格を目指して勉強するという選択肢もあると思います。

 

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