産休は病院と一緒にひとつひとつ決めた~ワラビー動物病院 動物看護師 山杉 絢子 さん

ワラビー動物病院 
動物看護師
山杉 絢子 さん

●プロフィール

  • 2005年 ヤマザキ学園専門学校卒業
  • 2005年 はとがや動物病院に入社
  • 2007年 はとがや動物病院 動物看護師リーダー着任
  • 2011年 はとがや動物病院 動物看護師マネージャー着任
  • 2013年  第一子出産
  • 2014年 ワラビー動物病院に時短勤務として職場復帰2016年 ワラビー動物病院にサブマネージャーとしてフルタイム復帰

 

 

●これまでのお仕事について教えてください

学校を卒業してから、3病院ほど実習を行って、ワラビー動物病院グループのはとがや動物病院へ就職しました。早くから色々な仕事を任せてもらえるところに魅力を感じて当グループに就職を決めました。入社当初は入院やホテルのわんちゃん、ねこちゃんのいる犬舎の管理や診療の補助を行っていましたが、入社3年目でリーダーになり、その後7年目でマネージャーとして8人のスタッフの業務管理も行うようになりました。

その後1年間の産休、育休をいただいた後に、同じグループのワラビー動物病院に異動し、週1、2回の勤務から看護師として復帰しはじめ、午後のみ出社する時短勤務を経て、今は主に受付業務担当としてフルタイムで働いています。

●今までにも産休を取られるスタッフはいましたか?

妊娠が分かった際に快く産休に送り出してくれた病院やスタッフの皆に恩返しをしたいという気持ちがあったので、休暇に入る前から復帰することを前提に考えていました。

育児をしながらの復帰に不安はありましたが、できる範囲から始められるよう、休暇中から病院とコミュニケーションを取っていたので、スムーズに復帰することができました。

今までに、産休を取った獣医師は1名いたのですが看護師では初めてだったので、病院と一緒に相談をしながら1つ1つ決めていったという感じです。私の後にはさらにトリマー・受付スタッフが産休を使い復帰しており、長く一緒に働ける事をうれしく思います。

●産休の前後で大変だったことはありますか?

私の場合、妊娠がわかった時には5か月になっていたので、急に産休に入ることになったのですが、特に大変だと感じたことはありませんでした。もともと他スタッフと一緒に行っていた業務が多かったため、引継ぎもスムーズに行うことができました。

復帰後は、はじめは週1、2回の勤務だった事と新しい病院だった事で、飼い主さんのお名前を覚えるのに苦労しましたが、周りのスタッフの力を借りながら、メモを取るなどの工夫をして覚えられるよう努力しました。

●復帰後のお仕事について教えてください

私の場合は、保育園がなかなか見つからなかったので、週1、2回の勤務から復帰をさせてもらいました。その後、認可外保育施設で24時間保育を行っているところを見つけられたのですが、保育施設に子供を預けてから出勤すると通勤に2時間もかかってしまっていたため、午後の診察の14時~19時までの勤務にしてもらいました。

現在は認可保育園に入ることができ、通勤時間も1時間ちょっとに短縮されたので、フルタイムで勤務を行っています。状況に合わせて、勤務時間や日程の融通をきかせてもらっているのでありがたいと思う一方で、残業はなかなかできないので、ほかのスタッフには申し訳ないと思うこともあります。できる限り詳細な引継ぎを行い、業務が円滑に回るよう心がけています。

●看護師の仕事ならではの難しさを感じることはありますか

子供のお迎えがあって最後まで患者さんをみることができないなど、看護師として仕事が「やりきれていない」自分を責めたこともありました。

実際、通勤時間が短ければ、もっと仕事ができるのではないかと、自宅にもっと近い病院に転職を考えたこともあるくらいです。でも「今のままで充分助かっている」と周りのスタッフが言ってくれて、乗り切ることができました。

●看護の仕事と受付の仕事を両方ご経験されていますね

現在は、主に受付業務を行っています。復帰当初は看護師として働いていたのですが、病院からサブマージャーとして病院全体を見渡せるような仕事をしてほしいといわれ、受付と看護の仕事を両方するようになりました。業務を行っていく中で、両方の仕事が中途半端になってしまっていると感じるようになり、病院へ相談して、受付に専念させてもらうことにしました。当院は間取り的にも病院を見渡せる位置に受付があり、飼い主さんとの距離が近いので、看護師だけをやっていた時よりも視野が広かったと感じています。

●動物看護師の仕事のやりがいは?

やはり、動物が好きなので、たくさんの動物に会えることはうれしいですね。
動物が懐いてくれた時などは、とてもうれしいです。
あとは、飼い主さんに顔を覚えていただいて、信頼をしていただけることですね。

 ●仕事と家庭の両立で工夫していることはありますか?

土日に勤務があるときは実家で子供を見てもらっています。実家が近くにあることはありがたいです。お迎えに行く時間がどうしても遅くなってしまうので、子供に早く食事の用意をしてあげるため、カット済みの食材を宅配してくれるサービスなどを利用して効率用よく家事を行うようにしています。

●今後やってみたい事や夢などを教えてください

受付の仕事を極めたいと思っています。受付業務は飼い主さんとの距離が近く、診察室では聞けないようなお話を沢山していただけます。動物とそのご家族がどのように過ごしているのか。家族の中で一番お世話をしている方はどなたなのか。など、沢山のお話をすることで、診療にも役立つことがあると思っています。

また、どちらも経験した自分ならではの試みとして、受付と看護のスタッフの仕事の業務分担を見直したいですね。受付のスタッフが行う仕事の幅を広げていくことで、看護師がより看護業務に集中できるようになるのではないかと思います。

●動物看護師の方たちへメッセージを!

皆さんにも、動物看護師として長く働いて欲しいと思います。

私も、別の職業を検討したことがありましたが、やはり動物と触れ合える仕事がしたくて動物看護師を続けています。現在のグループで長く働いていて、昔働いていたはとがや動物病院の飼い主さんや動物と今の動物病院でお会いする機会などもあり、私を覚えていていただけるのはうれしいですね。続けていてよかったと思います。

たとえ同じ病院でなくても、動物看護師として経験を積んでいるということで得られる飼い主さんからの信頼があると思います。環境が整っている病院ばかりではないとは思いますが、自分一人で解決しようとするのではなく、普段から、院長や上職、同僚のスタッフとコミュニケーションをとりながら長く働いていける環境を作っていってほしいと思います。

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